アロエべラ

アロエベラとは?

はじめに

アロエについて知っておきましょう。

アロエは「ユリ科」でアフリカ原産の多肉植物。 (※1)
ユリ科の仲間には、ニンニク、タマネギ、アスパラガスなどがあげられます。

日本でよく知られているアロエの品種は、キダチアロエ、アロエベラ、ケープアロエなどの品種です。



キダチアロエ



名前の通り「木立」を意味し、茎から枝が広がるように見え、木に葉がつくように成長します。
食用にも利用されていますが、昔から民間薬などで、このキダチアロエが使われています。
キダチアロエは葉が細く、葉の中身も少ないため、葉ごと利用することも多いそうです。
葉と葉肉をまるごと利用されることから、アロイン(バルバロイン)の過剰摂取に注意しなければなりません。


アロエベラ



アロエベラは葉が折り重なるように、根本付近から放射状に大きく成長します。
様々な品種がある中、健康食品や化粧品に最も多く利用されているのがアロエベラです。
世界的に見ても、「アロエ=アロエベラ」という認識も多いそうです。
アロエベラは一枚の葉がとても大きく、葉の中身も多いため、大きいもので一枚で約1㎏をゆうに越します。


ケープアロエ



立ち姿が美しく、1.5m位の背丈があり、日本薬局方(※2)に基原植物としても収載されているアロエになります。
主にアフリカーナやフェロックス種を指してケープアロエと呼ばれているようです。
日本薬局方に収載され、肉厚の葉の液汁を濃縮、乾燥したものを利用し、漢方ではロカイと呼ばれています。
各種の医薬品として規定されており、食品(飲料)の使用は許可されていません。


※1 多肉植物…  葉、茎または根の内部の柔組織に水を貯蔵している植物の総称のこと。
※2 日本薬局方… 薬事法第41条により、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書のこと。



アロエベラとキダチアロエの違い…

日本では、アロエというとキダチアロエという認識も多いのですが、海外ではアロエベラという認識が一般的です。
同じアロエの品種ですが「外見」は勿論、両方に含まれている成分の「質」や「量」は化学的に見ても違がいます。

外見上では、キダチアロエは木のように上に伸び、茎から枝分かれして育つイメージで、
アロエベラは土から葉だけが根本から成長し、放射状に大きく育つイメージになります。

一枚の葉の大きさはアロエベラの方がとても大きく、葉肉の透明なゲルも多いため、
ヨーグルトやジュースなどに利用されていることが多いのはアロエベラになります。

味の違いでいうと、キダチアロエは「葉の皮」と「葉肉」の全体を利用するため、かなりの苦味があります。
アロエベラは「葉の皮」の部分は医薬品としてのみ利用され、「葉肉」のみ利用するため、苦くありません。

また、成分の量でもアロイン(バルバロイン)という苦味成分がキダチアロエの方が多いためとされています。
主に使用されている原材料で、味の違いではこのような理由が考えられています。



アロエの使用される成分の本質を見てみましょう


名称主に医薬品として
使用される成分本質(原材料)
効能効果を標記しない限り
医薬品として判断しない成分本質(原材料)
成分名
アロエアロエベラ
ケープアロエ
葉の液体成分葉肉(ゲル部分)、根アロイン
 (バルバロイン)
キダチアロエ-全て使用可


アロイン(バルバロイン)という苦味成分は、主に「葉の皮」の部分に多く含まれています。

法律によりアロエベラは、「葉の皮」など、使用する部位によって医薬品にしか使えませんがキダチアロエの場合は、
標記しない限り医薬品として判断されないため、「葉の皮も含めた全体」が食品などにも使用されています。

アロエ自体の摂取で「お腹がゆるくなった」「お腹が痛くなった」などの事例がありますが、原因の一つに
キダチアロエを利用したものにアロイン(バルバロイン)などの成分が含まれた状態での摂取が考えられています。

ただし、他の成分でも腸内環境をスムーズにする作用が考えられるため、
自身の体調管理や体質を理解し、アロエ自体の過剰摂取にも十分な注意が必要です。
また、キダチアロエをはじめとしたアロエは、ほぼ全品種がワシントン条約の保護の対象とされ輸出入が
厳しく制限されており、唯一栽培種としてアロエベラはワシントン条約の保護規制の対象から外されています。
そのため、ヨーグルトや健康食品に使われているアロエのほとんどは「アロエベラ」となっています。



アロエの主な栄養素

アミノ酸 ・アラニン ・アルギニン ・アスパラギン酸 ・グルタミン酸 ・グリシン ・ロイシン ・メチオニン
 ・リジン ・フェニールアラニン ・トリプトファン ・チロシン ・バリン ・ヒスチジン ・イソロイシン
ビタミン類 ・ビタミンA ・ビタミンB1 ・ビタミンB2 ・ビタミンB6 ・ビタミンB12
 ・ビタミンC ・ビタミンE ・葉酸
ミネラル類 ・カルシウム ・マグネシウム ・ナトリウム ・マンガン ・リン ・カリウム
 ・銅 ・亜鉛 ・鉄分 ・モリブデン ・コバルト ・塩素 ・ヨウ素 ・イオウ


まずはアロエベラとキダチアロエの

成分の比較を見てみましょう。

成分名称 主な作用と成分内容キダチアロエアロエベラ
アロイン※
(バルバロイン)

健胃、緩下、瀉下、苦味配糖体

主にアロエの表皮部分に多く含まれており、 胃や腸の働きを活発にする作用がある。 アロエの苦味成分。過剰に摂取すると、お腹がゆるくなる。 また、過剰摂取すると子宮収縮作用などが確認されており、 妊婦や授乳中の方も過剰に摂取するのは注意が必要である。

※日本ではキダチアロエ以外、アロイン、アロエエジモンは [医薬品]として指定されていますので、アロエベラなどの食品(飲料)には 使用されておりません。

アロエニン

健胃、緩下

主にキダチアロエのみに含まれる有効成分である胃酸が過剰に分泌された 際には胃酸分泌を抑え、逆に胃酸が不足した際には胃酸分泌を 促進するという胃酸の働きを正常化する作用があるとされている。

-
アロエエモジン※

苦味、健胃、緩下、瀉下

主にアロエの皮部分やゲル部分に多く含まれており、健胃作用や腸内を 活性化する作用があるとされる。アロエの苦味成分。 解毒作用もあるといわれている。

また、アロイン同様過剰摂取すると子宮収縮作用などが確認されており、 妊婦や授乳中の方も過剰に摂取するのは注意が必要である。

※日本ではキダチアロエ以外、アロイン、アロエエジモンは [医薬品]として指定されていますので、アロエベラなどの食品(飲料)には使用されておりません。

アロエウルシン

抗潰瘍

抗潰瘍作用があるとされる。組織や細胞の再形成を促進する 作用があるとされ、火傷や傷口の治療作用もあるとされる。 キダチアロエには含有されているが、アロエベラには含まれていない 成分である。

-
アロエシン

抗菌、チロジナーゼ阻害美肌効果

殺菌や抗菌作用があるとされ、シミやそばかすの原因となる物質の チロナーゼ酵素の作用を阻害する事から 美白効果があるとされる。

アロエソン
エモジン

健胃、緩下

健胃作用、緩下作用があるとされる。

アロエチン

抗カビ、抗菌、毒素中和

アロエに含まれている成分で、高い殺菌力と解毒作用があるとされている。 化膿や吹き出物の治療や、風邪や肝臓病なども効果があるといわれている。

-
アロミチン

抗潰瘍、抗ウイルス、抗ガン

抗ウイルス作用や抗潰瘍作用があるとされる。アロエに含まれる有効成分。 抗がん作用もあり、抗ガン粘膜を弾力化できるとされている。

ホモナタロイン

苦味、健胃、緩下、瀉下、メラニン生成抑制美白効果

主にアロエの表皮部分に多く含まれており、苦味、健胃作用や緩下、 瀉下作用があるとされている。解毒作用などもあるとされる。 また、美白効果があるとされ、メラニン生成抑制作用も新たに 確認されており、化粧品の成分として研究も進んでいる。

アルボラン
A・B

血糖値低下

アルボランAアルボランBという二種類が含まれており、 多糖類の一種である。 血糖値を下げる作用があるとされる。効果は比較的穏やかだが、 持続性は高く糖尿病の治療などに用いるインスリンよりも 長期間継続するとされる。

-
アロエマンナン

抗腫瘍、老化防止

アロエに含有されている有効成分であり、多糖類の一種。 皮膚の老化防止作用や抗腫瘍作用などがあるとされる。 葉肉部分に含まれておりネバネバとした葉液の物質でもある。

サポニン

配糖体、抗菌、脂質合成・吸収ダイエット効果

血中のコレステロールや中性脂肪(脂質合成や吸収)を阻害する 作用があり、動脈硬化の予防効果があるとされる。 継続したサポニンの服用は肥満体質の改善にもつながり、 ダイエットの効果もあるとされる。 大豆などにもサポニンが豊富に含まれている。 また、アレルギー体質の改善作用なども研究で進められている。

-
アミノ酸
有機酸類

メラニン形成正常化(美肌効果

細胞を活性化させ、メラニンの生成を抑制する作用があるとされる。 保湿効果もあるとされ、肌の水分量を保つために欠かせない成分。 また、ペプチド状態(体内消化器官でアミノ酸が数個つながったもの)で 細胞に吸収され、肌に浸透しキメを整えるとされている。 主にアミノ酸とはタンパク質や神経伝達物質などが体内で 合成される成分で、生成する上で必要不可欠な存在である。 アミノ酸は、肉や魚、大豆などのタンパク質が分解してできる最終単位で、新しい筋肉や臓器、酵素などをつくる原料にもなり、 エネルギーに転換される。
「必須アミノ酸」とは、体内で合成できないアミノ酸のことである。 有機酸とは、ほぼカルボン酸であり、食品に含まれる酸味物質は全て 有機酸であるクエン酸リンゴ酸、 酒石酸、コハク酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸、蓚酸などがある。 オレンジなどの柑橘類の酸味はクエン酸である。

ミネラル

メラニン形成正常化美肌効果

3大栄養素のひとつとされ、ビタミンと同じく体の機能の維持や調整に 不可欠な微量栄養素である。一般的には人体の約95%は酸素、炭素、 水素、窒素の4元素で構成され、残りの約5%にあたる元素が 「ミネラル」とされる。 ミネラルは元素そのものであり無機質、 ビタミンは元素から作られる有機化合物である。 また、生活習慣病予防、貧血や骨粗鬆症の予防、 ダイエットなどにも有効な作用とされ、 人体の構成成分や生理作用の調節に欠かせない栄養素である。 美肌や美髪などにも効果があるとされ、ビタミンミネラルの 不足により活発になり過ぎたメラニン色素を生成する メラノサイトの働きの正常化や、女性ホルモンの正常化などの 効果があるとされる。 コラーゲン生成をサポートする成分でもある。

ムコ多糖類

抗潰瘍、その他

細胞と細胞を結合する物質であり、生体運動を円滑にさせ、細胞や組織の表面をなめらかに包み、様々な環境に対して保護作用があるとされる。

ムコ多糖類の「ムコ」は粘液性という意味で、関節や皮膚など体内のいたるところに存在しており、様々な効用があるとされ、免疫力、血糖値調節、新陳代謝、骨の形成促進、組織への栄養供給を行っているとされる。 また、保水性にも優れており、肌の健康維持や関節痛の緩和作用、近年徐々に明らかになってきていることでは、抗ガン作用を高める働きなどの作用などもあげられる。

この先、様々な難病の治療にも役立つ可能性があるとされる。 アロエベラが持つ高い抗炎症作用と抗痛作用、その他の有効作用は同じアロエ種でも成分の分子量の大きさが関係しており、 分子量の大きさを比較をするとキダチアロエは約万に対し、 アロエベラは約45万の分子量である。 この圧倒的な分子量の差が与える有効性の大きさに違いがある。








有効性分子量

4万







有効性分子量

45万

注意

・これらの作用と成分内容は「栄養機能食品および健康補助食品」としての説明をした表示ではありません。
・全ての表記は、実際に使用される際に成分が合致するかよくお確かめください。
・示された表現や再現性には個人差があり、必ずしも作用や効果を保証したものではございません。
・健康食材および飲料などとして用いられていますが、その効果を保証するものではありません。
・化粧品および美容液などとして用いられていますが、その効果を保証するものではありません。
・各栄養素および効果・効能の正確性には万全を期しておりますが、完全性を保証したものではございません。
・ご自身の医療(病気)および栄養管理の情報に関しては必ず専門機関にご相談ください。



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